感動創造 ~みんなでつくろう、未来への和~
2010年9月10日(金) 05:39 JST
社団法人 白浜・田辺青年会議所
2010年度理事長 井戸 宏和

この混沌とした時代を30代、40代として迎えていく私たち。その時代を生き抜くためには、30代を「人生の棚卸し期間」と捉え、自分自身の過去の行動を振り返り、良いことは認め、足りなかったものを補うことが大切です。
自分自身を振り返ることは、自らが属するコミュニティのより良い未来の姿を創造することに繋がり、ひいてはJCの掲げる「世界平和の実現」という大きな目的を成し遂げるために必要な創造力を高めることにも繋がります。言い換えれば、自分自身の人生を振り返ることをせず、自らの過去を「棚上げ」していては、自分自身をより良い成長へと向かわせることは難しいのではないかということです。
人生においてとても重要な「棚卸し期間」をJC活動と共に過ごすことの出来る私たちは、とても恵まれた青年たちです。なぜならば、JC活動は取り組み方次第で深い気づきを得る機会が無数にあり、その機会は「人生の棚卸し」を、よりしっかりとしたものにしてくれる、大変ありがたいものだと考えるからです。
より良い社会をつくるために必要な、地域の持つ問題を検証する能力を高めるためにも、まずは自分自身を検証する能力を高めることから始めましょう。
そして、私たちがJC活動に取り組むにあたり、それを支えてくれている家族や全ての方々に感謝しましょう。
組織に尽くすことで組織から得るという考え方さえ間違えなければ、大きな学びに繋がるのが青年会議所の特徴です。それは何も青年会議所だけに限ったことではなく、社会生活の全てにおいて共通する自利利他※の精神と同じことです。
45年間、先輩諸兄から受け継いできた大きな社会的信用と活動の軌跡、それを支えていただいた地域関係諸団体の皆様との信頼の絆、これらかけがえのない財産(たから)を、今後も大切に育み、さらに大きな和としていくことをここに約束し、本年の志を以下に述べてまいります。
まちのためが、あなたのため。
誰かのためが、あなたのため。
為になることが、ためになる。
ため、は鏡のことば。
※仏教用語。自らの仏道修行により得た功徳を自分が受け取るとともに、他のための仏法の利益をはかること。【大辞林】
メンバーの皆さんは青年会議所の活動について正しい理解を得られているでしょうか。
もしJC活動を不条理だと感じているならば、それはあなただけでなく、あなたの家族や友人がJC活動を不条理なものと捉えていても、なんら不思議なことではありません。
メンバーの多くは、後ろ髪をひかれつつも、愛する妻に育児を任せ、仕事を社員に頼みながらJC活動を行っています。そんな日常の場面で、活動への不満を口にしつつ不機嫌な表情で自宅や会社から出かけていたとするならば、周囲の方々は青年会議所をどのようなものと捉えるのでしょうか。また、その状況を知人へ伝える際に、どのようなことばを選ぶと思いますか。
JC活動にやりがいとプライドを持ち、使命感に燃えて自宅や会社から出かけているとするならば、家族や社員は必ずあなたの良き理解者となり、その理解者たちはあなたのことも青年会議所のことも、前向きに語ってくれるでしょう。つまり、あなたの心がけ次第で青年会議所に対する地域の認識までをも変化させることが可能であるということです。
今一度、あなた自身と青年会議所との関わり方を見直してみて下さい。そして一人でも多くの応援団、JCのファンといった理解者=地域(まち)のなかまをつくりましょう。
メンバーの一人であるあなた自身が、一番の口コミ広報マンなのですから。
本年度内に会員数を100名にすることを目標とした会員拡大を行います。
私にとって多くのなかまとの出会いそのものが、青年会議所の一番の魅力です。会員の減少が組織の魅力そのものを失うことに繋がります。
近年、会員拡大が困難な理由を、地域人口の減少や経済的衰退などとして語っている場面を見かけます。しかし、青年会議所はそれらに代表される地域の社会問題を少しでも良い方向へ導くために存在するのです。
どうすれば会員拡大が出来るのか、その手法を十分に検討し、共有化した上で全員運動として取り組むことで、地域の負託に応えられる団体として成長を続けていきましょう。
今年こそ、なかまの力で数年来の100名体制を再現しようではありませんか。
本当のなかまとは、耳あたりの良いことだけを言いあう知人のことを指すのではなく、相手のことを思うからこそ厳しく接し合え、良いことには心から称え合うことが出来る関係のことです。また、相手から自分に対する厳しい叱咤も感謝の心で受け止める心構えも、本当のなかまつくりにはとても必要なことです。
一人ひとりが本当のなかまとして活動することで、組織に、まちに、未来への和を築いていきましょう。
なかまがいるから、あなたがいる。
なかまがあなたを、求めている。
与えよ、さらば与えられん。
なかま、は鏡のことば。
青少年のいじめや引きこもり、母親の子育てによる鬱や育児放棄、成人男性の自殺願望など、心の病には様々な形があります。これらの問題は、彼らが自分の心の内側に向かってのみしか話しかけられなくなったことから始まっているのではないか、と私は考えています。そしてこのような心の病で苦しんでいる方々は、私たちの身近にもいるかもしれません。
「対話」「コミュニケーション」という些細な日常行動を持続的に行うことで、心を開くきっかけをつくることが出来ます。それが結果として人のいのちを救うことさえあります。しかしその方法を誤り、無理に詰問したり、相手を思いやれない会話を投げかけてしまったりすることで、人の心を深く傷つけてしまう場合があるのも事実です。
対話、コミュニケーションの適切な方法を学ぶことは、とても大切なことなのです。
青年会議所で学ぶ私たちの世代も決して例外でなく、社会的役割や家庭内での責任感により、思いのほかストレスを溜めているかもしれません。意志や責任感が強く、何事にも立ち向かおうとする力が強い人ほど、気づかぬうちに過剰なストレスを溜めていることがあります。
そんなときこそ青年会議所のなかまを活用しませんか。
私たちメンバーは同世代であることから、同じような悩みを抱えていることが少なくありません。お互いの考えや悩みを分かち合いながら、健全な心身を以ってまちのために尽くせる人材になっていくよう努めていこうではありませんか。
自分の調子がいいならば、周囲に元気をあげましょう。
自分の調子が悪いなら、ちょっぴり甘えてみませんか。
年次計画に盛り込まれた様々な事業や各種会合への参加の機会を活用し、入会歴の浅深に関わらず、メンバー同士やその家族との交流を図ります。それらの機会で得た対話、コミュニケーション能力を活用し、地域の方々との関わりをより深いものにしていきます。
私たちメンバーの鋭気と連帯感を高めることが、結果として青年会議所が持つ本来の目的である、明るい豊かなまちづくりへと繋がる第一歩です。まずは一人ひとりが本当のなかまとなるために、与えられた機会を大切にしていきましょう。
新入会員時には、青年会議所の過去の歴史や組織の成り立ち、事業に対する実行プロセスなど、分からないことがたくさんあります。オリエンテーションの開催によるJCに対する基礎知識の習得を行い、LOM内外で行われている各種事業への参加を通じ、楽しみながらも学びの多い時期とすることに努めましょう。
また既存メンバーは、新入会員に対し本当のなかまとしての繋がりを深める働きかけを行ってください。その働きかけこそが、メンバー一人ひとりの青年会議所に入会している価値を高めることへと繋がっていくことは間違いありません。
「青年会議所は実技と学科の繰り返し」と例えた人がいます。それは、青年会議所が研修事業や会議などを通じて習得することを「学科」、学んだことの集大成を事業で表現することを「実技」と例えているのですが、万が一、学科を適切に学ぶことが出来なかった場合、実技で行う事業は不完全なものとなる可能性が高くなります。
青年会議所には幸い、あらゆる社会問題に対してのセミナーや、個々の能力開発に関する形態化された能力開発プログラムが多数準備されています。それらを活用し、年間を通じて定期的に能力開発に関する研修を開催します。
学びの機会で得た能力は、JC活動だけで発揮されるものでなく、家庭や会社など、いずれにも活かされる能力となることは間違いありません。
情熱的かつ学ぶことが好きなメンバーを育て、その溢れ出る情熱と培った見識を、なかま同士で遠慮なしにぶつけ合うことに力を注ぎ、地域にとって必要な事業を作り上げる能力を高めていきましょう。
自ら得た学びは、自らを助けます。
なかまに分け与えることで、さらに学びを得られます。
学び、学ばせ。
学び、は鏡のことば。
私たちはいわゆる「青年」でありますが、社会的には「立派なおとな」とみなされます。その「立派なおとな」であっても青少年から学ぶことは数多くあります。青年会議所が青年会議所として、青年会議所らしく行える青少年教育とは、彼らと私たちが感動を共有することで生まれる「心の教育(共育)」であると私は考えます。彼らに何かを教えようとする前に、まずは我々が彼らから学び、感じ取ろうとする姿勢を持つことが、教育(共育)成果を高めることに繋がると考えます。
青年会議所の「若さ」「起業家が多く在籍する」「地域で生まれ育った社会人」「コミュニケーション能力の向上・指導力開発に日々取り組んでいる」といった特長を活かしてこそ行える事業を行いましょう。
具体的な手法として、教育機関との協働・連携による職場体験の積極的な受け入れによって職業観に対する教育(共育)が可能です。また、各学校などに出向くことで、日頃の3分間スピーチなどで培ったプレゼンテーション能力を活かした、特別授業の講師なども可能です。さらには、青少年を主体としたまちづくり団体の設立に向けた支援を行い、地域社会に自主的に貢献しようという意識を持つ青少年を育成し、彼らと中長期的な視野に立った協働・連携を行うことで、彼らの思いを現実のものにしてゆくことが可能でしょう。
青少年との交流の機会を通じ、彼らと私たちが共に学ぶことで、明るい豊かなまちづくりを、継続的な取り組みとして地域に根付かせていきましょう。
おとなの心の学びが、青少年たちの豊かな心を育みます。
青少年たちの心が、まちの未来を創ります。
おとなの心と、青少年の心。
心、は鏡のことば。
行き過ぎた資本主義を憂いたり、高福祉型社会を望むのは容易いことです。しかし、その前に私たちの身近な取り組みとして、困っている人々を見過ごさないようにすることや、ご近所同士のちょっとした助け合いのほうが先決なのではないでしょうか。
振り返れば、私たちの幼かった時代とは世の中が大きく様変わりし、対価を支払うことであらゆるサービスを享受できる社会へと変貌しました。そういった世の中の進歩・発展といったメリットとは裏腹に「金さえ払えばなんでも出来る」「自分が良いのだから周囲はどうでも良い」と誤解してしまいそうな世の中になったのも事実です。
人の心は金では買えません。だからこそ尊いのです。
本年の(社)白浜・田辺青年会議所は、地域住民の心に響く、尊い事業を行います。
私たちは明るい豊かな社会を築くために活動しています。その明るい社会を築くために解決すべき問題に対し、毅然とした態度と説得力をもって立ち向かうことで、コミュニティの健全再生に向けての活動を行っていきます。
そして、この地域にとって本当に必要な事業を粘り強く行っていくことで地域社会からの信頼と付託に応えていきます。
今こそ「地域のおせっかい役」を買って出るような、地道な事業展開を行いましょう。
尊い心でいよう。
尊い心が戻ってくるから。
尊い心、は鏡のことば。
(社)白浜・田辺青年会議所は、設立45周年という記念すべき節目を迎えました。時を同じくして私たちは、国により進められている公益法人制度改革に対する回答を出す時期に差し掛かっています。
そもそも私たちは、公益を目的に設立された団体であり、法改正の有無に関わらず公益に資する活動を行うことを目的としています。つまり法改正のためにではなく、目的に近づくために組織基盤を整備し続けることが、メンバーに課せられた使命なのです。
そこで本年は中期ビジョン策定特別会議を設け、これからの(社)白浜・田辺青年会議所の存在意義の確認や、我々の進むべき道についての公式な中期ビジョン(5ヶ年)を策定します。その上で、公益社団法人格の取得申請に必要な諸事項の検討・準備を行います。
さらには、青年会議所の目的のひとつである国際交流を進めるため、ここ数年検討が滞っている姉妹青年会議所に対する調査検討を再開します。
本年のスローガンである「感動創造」とは、「感動とは一人でつくるものではなく、なかまと共に創り出すもの」という信念に基づいて作ったことばです。
思い返してみて下さい。今まで心を動かされた思い出の中には、必ず相手がいませんか。
そうです。人は一人で感動することは出来ない生き物なのです。
あなた自身が感動した思い出の中には、あなたが感動するための演出者がいたのです。ときにはあなたが感動の主役になり、ときにはあなたが誰かの感動のための演出者になる。
自利利他の精神を胸に一人ひとりが1年間活動することで、一人ひとりに感動が生まれ、その大きな感動の輪が、未来への和を繋いでゆくのです。
こんなクールな時代に、「修練・奉仕・友情」という熱くて古臭いことば。実は今こそこの地域、いや世界中に求められているのがこのJC三信条であり、それを表現できる者こそが、この時代に求められている人物像だと私は信じています。
感動を心の支えに、なかまを心の支えに、JC活動に全力で取り組むことが出来たとするならば、それによって地域に与えることが出来た「利」は、形を変えた「利」としてあなたに必ず舞い降りることでしょう。
感動をみんなで創り上げていきましょう。
未来への和を繋げていくために。